さらに温度が低下しA1変態点(約730℃付近)を越えるとα(フェライト)とFe3C(セメンタイト)が共存するパーライトと呼ばれる組織になります。パーライトは軟らかいフェライトと硬いセメンタイトのそれぞれの組織要素がうまく組み合わさって、きわめて強靭な性質を有するものです。
ブレーキローター用鋳物は、溶解温度や注湯温度(鋳物型に溶けた材料を注ぐ温度)の管理はもちろんのこと、冷却速度、型ばらし温度(型を開放して鋳物を取出す温度)が一定に管理されていないと前記のような冷却の過程で通常発生するはずの組織が様々な別の組織に変わってしまい本来の性能が発揮されません。また、接種(鋳造する直前に合金元素を添加すること)の有無によっても組織が変わります。以下に組織の一例を示します。 |
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